日々是書評

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【女性同士の恋愛】キャロル - パトリシア・ハイスミス

キャロル (河出文庫)

キャロル (河出文庫)

クリスマス商戦のさ中、デパートのおもちゃ売り場でアルバイトをする十九歳の女性テレーズは、美しい人妻と出会う。彼女の名はキャロル。テレーズは恋に近い気持ちを胸に、キャロルに誘われ自動車旅行へ。二人を待つ運命を、彼女たちはまだ知らない…

サスペンスの巨匠ハイスミスが匿名で出した幻の恋愛小説、待望の本邦初訳。

レビュー

人並みに嫉妬したり、恋に思い悩むテレーズが愛おしくなった。 キャロルに対する評価が定まるのは、中盤以降。実はテレーズへの愛に溢れていて、そして人間臭いところがたまらない。

愛すべき二人が車でアメリカ横断旅行(?)に出るって、すごく映画的と言うか、おしゃれだなと思ってしまった。

単なる恋愛小説ではないのは、テレーズには男性のお相手がいて、キャロルには元夫と娘がいたことかもしれない。いわゆるLの世界的な「イケてるビアン達の都会ライフ」とは全く違うお話になっているw

テレーズとキャロルの関係が監視されて、娘の親権争いに利用されるのは、ゲイとしては非常に苦しい気持ちになってしまった。 子どもの幸福が大人の勝手な都合と司法によって損なわれるのは、同じLGBTというくくりだと「チョコレートドーナツ」という映画を思い出した。

星評価

★★★☆☆

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