日々是書評

書評初心者ですが、宜しくお願いします ^^

受賞作

【不動産営業小説】狭小邸宅 − 新庄耕

狭小邸宅posted with ヨメレバ新庄耕 集英社 2015年02月20日頃 レビュー 不動産に関するストーリーが読みたくて、試しに手に取ってみた。 帯には「不動産営業、絶賛の共感!」みたいな文言が。これは期待できるかもしれない…。と思い読み進めたものの、途中…

【人生再出発の狭間で】スクラップ・アンド・ビルド - 羽田圭介

スクラップ・アンド・ビルドposted with ヨメレバ羽田 圭介 文藝春秋 2018年05月10日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー ツイッターで読書家の方にオススメされて読んでみた。 第153回芥川賞を受賞した作品とのことで。いざ読んでみると、芥川賞に…

【思考と快楽】デッドライン - 千葉雅也

デッドラインposted with ヨメレバ千葉 雅也 新潮社 2019年11月27日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle 総評 ところどころ、難解な小説だった。と感じるのは、自分に哲学の素養がないからかもしれない。 この小説は哲学を専攻するゲイの大学院生を主人公とす…

【芥川賞】むらさきのスカートの女 - 今村夏子

むらさきのスカートの女posted with ヨメレバ今村夏子 朝日新聞出版 2019年06月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー まず、冒頭。あたかも不思議な生物を紹介するかのように、「むらさきのスカートの女」について解説される。そしてそれをメタ視点で…

【ちょっと切ない家族小説】星々の舟 - 村山由佳

レビュー 面白くて一晩で読み切った 機能不全とも言える家族は、時間の経過とともに表面上は収まるところに収まったかのように見える。けれども実際には、家族の構成員は満たされない想いや未解決の問題を抱えている。そんな各々の視点で描かれる短編集。 あ…

【マイノリティの見る世界】夏の約束 - 藤野千夜

レビュー この作者の悲しみの雰囲気づくりは何なんだろう。少しだけ癖になりそう。 ハッキリと書くことなく、ジワリと滲ませる感じ。 表題作の「夏の約束」について。 MtFの美容師がひょんなことから入院することになる。 友人らがお見舞いに行くと、同じ病…

【芥川賞 書評】グランド・フィナーレ - 阿部和重

レビュー 初めて阿部和重を読んだ。有名どころから入りたくて、芥川賞を受賞したグランドフィナーレを読んでみた。 いやぁ、難しい。正直なところ、小説として面白いとは思えなかった。 けれど、解説込みでなんとか「そういうことなのかな」という納得感みた…

【芥川賞 問題作】コンビニ人間 - 村田沙耶香

レビュー この物語の主人公は36歳の女性。コンビニで18年間アルバイトをしている。 未婚で恋愛経験なし、それどころか自分を世の中の異物のようにずっと感じていた。それはひょっとしたら発達障害と診断されるようなものかもしれない。 そんな主人公が普通で…

【芸術と情熱】楽園のカンヴァス - 原田マハ

レビュー とても面白くて一気に読んでしまった。 魅力的なキャラクターや、謎解きのような夢中になれるストーリー、そしてアートの歴史と世界。それら全てが、とても読みやすく落ち着いた原田マハの文筆力で展開される。それゃあ面白いに決まっている。 だけ…

【直木賞・沖縄】宝島 - 真藤順丈

宝島posted with ヨメレバ真藤 順丈 講談社 2018年06月21日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle 英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった…

【辛口書評】そして、バトンは渡された - 瀬尾まいこ

星評価 ★★★☆☆ あらすじ 森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。 「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸…