日々是書評

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【筆者の取材力の賜物】西成で生きる − 花田庚彦

レビュー

オーディオブックで聴き放題プランに来ていたので聞いてみた。

西成と言うと大阪の一つの地域。世間的な評判として「ヤバい地域」というのはよく聞いていた。

自分自身大阪への旅行で一度訪れたことがあるので、なおさら気になる一冊だった。

内容に関しては章立てが三つから為るのがシンプルでよかった。

まずは仕事について。人夫出しという仕事、パチモンのブランド売り、覚醒剤の売り子など、西成の経済事情の一側面について語られる。

それから医療について。薬の転売が行われているというのはとてもショッキングな内容だった。それから福祉車両については自分自身初めて知る知識だった。

最後に西成の生き字引について一人一人紹介される。詳細は割愛してしまうが、こういう人たちのインタビューに接すると、自分の人生の平凡さと言うか世界の狭さみたいなものを感じざるを得ない。

西成が持つ良いところを知ることができたし、もちろんやっぱりヤバい部分もあった。それを読了後はよりクリアに認識できた気がする。

総括として良書だった。清濁併せ呑むという言葉が似合う一冊。筆者の取材力の賜物だと思う。