日々是書評

書評初心者ですが、宜しくお願いします ^^

SF小説

宇宙, 時間移動, 超能力, 超常現象を題材にしている / 国内外 SF 小説

【見事に結末に騙される】エンダーのゲーム - オースン・スコット・カード

エンダーのゲーム〔新訳版〕(下)posted with ヨメレバオースン・スコット・カード/田中一江 早川書房 2013年11月08日頃 SF小説の必読本として名高い本書。下巻では、上巻以上の物語の広がりを見せ、どんでん返しで結末を迎える。 上巻ではエンダーは1人の…

【書評】エンダーのゲーム(上)- オースン・スコット・カード

エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)posted with ヨメレバオースン・スコット・カード/田中一江 早川書房 2013年11月08日頃 エンダーのゲームといえば「SFの必読書」として名高い。SF小説好きとしては、いつか読みたいと思っていた本書。ワクワクした気持ちを…

【お手軽本格SF小説】銀河ヒッチハイク・ガイド - ダグラス・アダムス

銀河ヒッチハイク・ガイドposted with ヨメレバダグラス・アダムス/安原 和見 河出書房新社 2005年09月06日頃 レビュー 大変面白かった。1978年に出版されたとのことだけど、あまり古臭さは感じなかった。昔の SF 小説に特有な若干差別的なテイストを含むユ…

【国内SF小説】魂の駆動体 - 神林長平

魂の駆動体posted with ヨメレバ神林長平 早川書房 2000年03月15日頃 レビュー 神林長平さんと言えば、日本を代表するSF作家の一人だと思う。 この方の作品は、これまでに3作ほど読んできた。哲学的な問いかけを含むような作風で、少し難解な部分はある。 久…

【ダークSF短編集】世界の中心で愛を叫んだけもの - ハーラン・エリスン

世界の中心で愛を叫んだけものposted with ヨメレバハーラン・エリスン/浅倉久志 早川書房 1979年01月 楽天ブックスAmazonKindle レビュー SFの必読書として挙げられることがある本書。購入してみるとまさかの短編集。 「世界の中心で愛を叫んだけもの」は表…

【秀逸・文化人類系SF】アメリカン・ブッダ - 柴田勝家

アメリカン・ブッダposted with ヨメレバ柴田 勝家 早川書房 2020年08月20日頃 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 「アメリカン・ブッダ」というタイトル。そして、このあらすじ。 未曾有の災害と暴動により大混乱に陥り、国民の多くが現実世界を見…

【死の聖性を剥ぐ】あなたのための物語 - 長谷敏司

あなたのための物語posted with ヨメレバ長谷敏司 早川書房 2011年06月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー SF的な展開と人間的な描写と、そのレベルが双方高く、それでいてちょうど良い塩梅になっている。 ITPという人工的に作られた人格が、この小…

【王道宇宙系SF】老人と宇宙 - ジョン・スコルジー

老人と宇宙(そら)posted with ヨメレバジョン・スコルジー/内田昌之 早川書房 2007年02月28日頃 楽天ブックスAmazonKindle レビュー 老人と宇宙(そら)。タイトルは知っていてずっと気になっていたけど、ついに手に取ってみた。 やはり必読書として挙げら…

【文明崩壊系記号SF、ほか】象られた力 - 飛浩隆

象られた力posted with ヨメレバ飛浩隆 早川書房 2004年09月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 飛浩隆を読むのはこれが初めてとなる。本作は、表題作の「象られた力」を含む4篇からなる作品。レビューの評価が高く、初めて読むのには最適かとも思…

【感染症人類滅亡SF】復活の日 - 小松左京

復活の日posted with ヨメレバ小松 左京 KADOKAWA 2018年08月24日頃 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 2020年、コロナウイルスが世界を席巻した。そこで話題になったのがウイルスの流行を題材とする本作。 脅威の死亡率を持つ謎のウイルスが世界に…

【この宇宙の真相に出会う】三体Ⅱ 暗黒森林 下 - 劉慈欣

三体2 黒暗森林 下posted with ヨメレバ劉 慈欣/大森 望 早川書房 2020年06月18日頃 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 三体Ⅱ 暗黒森林の下巻。 上巻に続き、面壁計画が進行している。しかし破壁者は執拗で、人類は依然として劣勢。羅輯とハインズ…

【面壁者スマイル】三体Ⅱ 黒暗森林 上 - 劉慈欣

三体2 黒暗森林 上posted with ヨメレバ劉 慈欣/大森 望 早川書房 2020年06月18日頃 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 前作のメインキャラクタであった葉文潔がいきなりプロローグで登場。羅輯という男性に「宇宙社会学を研究しなさい」というアド…

【感情は欲求と充足との合間に】すばらしい新世界 - オルダス・ハクスリー

すばらしい新世界〔新訳版〕posted with ヨメレバオルダス・ハクスリー/大森 望 早川書房 2017年01月07日頃 楽天ブックスAmazonKindle レビュー ジョージ・オーウェルの「1984年」と並び、ディストピア小説の祖とされる「すばらしい新世界」。ついに読むこと…

【痛みを自分のものとして感じる自由と幸福】虐殺器官 - 伊藤計劃

虐殺器官新版posted with ヨメレバ伊藤計劃 早川書房 2014年08月 楽天ブックスAmazonKindle レビュー まず、海外ドラマっぽさを感じた。アクションあり、ミステリーあり、そしてSFあり。1冊の娯楽小説として、安心してその展開に身を委ねることができる。 構…

【心に強く訴えかけるSF短編集】母の記憶に - ケン・リュウ

母の記憶にposted with ヨメレバケン・リュウ/古沢 嘉通 早川書房 2019年05月23日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle 総評 ケンリュウ3作目のSF短編集。大いに期待しながら読んだ。 SF短編集として扱うテーマは手広い。 時間旅行、異星の古代文化、戦争マシ…

【人間のどうしようもなさを描く古典SF短編集】冷たい方程式 - トム・ゴドウィン

冷たい方程式posted with ヨメレバトム・ゴドウィン/伊藤典夫 早川書房 2011年11月 楽天ブックスAmazonKindle 総括 以前読んだSF小説にて、「冷たい方程式」が引用されていた。SFファンとして読まずにいられないと思い、本書を手にとって見た。 まず全体の構…

【中上級者向けSF短編集】ビット・プレーヤー - グレッグ・イーガン

ビット・プレイヤー (ハヤカワ文庫SF)作者:グレッグ イーガン発売日: 2019/03/31メディア: Kindle版 書評 グレッグ・イーガンによるSF短編集。6つのそれぞれ領域の異なるストーリーが収録されている。 SF的な紹介をするなら、以下の通りになる。 七色覚: 身…

【星雲賞短編SF傑作選】てのひらの宇宙 - 大森望

てのひらの宇宙 (星雲賞短編SF傑作選) (創元SF文庫)発売日: 2013/03/21メディア: 文庫 総評 あの大森望さんが編纂したSF短編集。収録されるのは、星雲賞を受賞した短編たち。 あまり期待せずに読み始めたところ、案外よかった。短いながらもストーリーや世界…

【ロボットSFの金字塔】われはロボット - アイザック・アシモフ

われはロボット決定版posted with ヨメレバアイザック・アシモフ/小尾芙佐 早川書房 2004年08月15日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle 総括 人類の辿った未来をロボット工学の進化という視点から描く。形式は連作短篇集で、翻訳がごくごく自然。読みにくさ…

【人間理解を深める珠玉のSF短編集】息吹 - テッド・チャン

息吹posted with ヨメレバテッド・チャン/大森 望 早川書房 2019年12月04日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle 総評 珠玉の短編集、という形容がこの上なく似合うSF短編集。 短編のそれぞれのジャンルは以下の通り。 商人と錬金術師の門: タイムトラベルとフ…

【文化人類SFの最高峰】所有せざる人々 - アーシュラ・K・ル・グィン

所有せざる人々 (ハヤカワ文庫SF)作者: アーシュラ・K・ル・グィン,Ursula K. Le Guin,佐藤高子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1986/07/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 76回この商品を含むブログ (37件) を見る レビュー SF小説の必読書と言われる…

【もっとSFを好きになる】いま集合的無意識を、 - 神林長平

いま集合的無意識を、posted with ヨメレバ神林長平 早川書房 2012年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 総評 神林長平による、意識をテーマにした短編集。全6篇。 国内SF作家の第一人者によるSF短編集。非常にわくわくしながら読んだ。 果たし…

【絶賛!中国SF】 三体 - 劉慈欣

三体posted with ヨメレバ劉 慈欣/大森 望 早川書房 2019年07月04日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 絶賛売出し中の三体。ようやく読めた。 まず、文化大革命のシーンから始まるのが良い。中国固有の歴史を描くことで、中国SFとしての色が濃くな…

【SF紀行文】旅のラゴス - 筒井康隆

レビュー 初の筒井康隆。 主人公のラゴスは、一生分の人生を費やす旅をする。たった230ページなのに、その間には数十年の月日が経ち、とても長い物語を読んだかのような気分。 旅先で出会う人々やその生活の描き方はそれなりに丁寧で、しっかりと紀行小説と…

【堂々完結】新世界より(下) - 貴志祐介

レビュー ああ、面白かった。こんな面白い本を読まずに過ごしていたなんて…! 上巻から下巻まで一気読みだった。こんなにも一瞬で読んだ三部作は初めてかもしれない。 まず何より、悪鬼のホラー描写がなんとも秀逸。 それは超能力の強さとか、描写の上手さも…

【書評】新世界より(中) - 貴志祐介

レビュー 早紀と倫理委員会の長が接触することで、世界の真相がまた一段明るみになった。 ようやく悪鬼と業魔に関する説明が為された。 こんな風に、中巻では子どもと大人の世界が少しずつ繋がっていく感じがあった。(そして大人の都合によって、子どもたち…

【ディストピア超能力SF】新世界より(上) - 貴志祐介

レビュー まだ上巻。中巻と下巻が控えていることを承知で、上巻を読んだ感想を。 前半では、能力を持つ前の子どもたちが育てられる途上を描く。 子ども時代を振り返るという形式での記述が上手く、淡い懐古を感じさせる読み味。 まだ世界の全容を知らない子…

【時間戦争SFの傑作】時砂の王 - 小川一水

レビュー 邪馬台国の時代にて、卑弥呼が1人のメッセンジャーと出会うところから物語は始まる。 卑弥呼の人間臭さとか、理解力の高さも含めて、物語にすんなりと引き込まれた。 メッセンジャーというのは人造知性体であり、ETと戦うために存在している。 そ…

【国内本格ミステリSF】果しなき流れの果に - 小松左京

新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫)作者: 小松左京出版社/メーカー: 角川春樹事務所発売日: 2018/06/13メディア: 文庫この商品を含むブログを見る N大学理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計…

【SFの必読書!】たったひとつの冴えたやりかた - ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

ズバリ、星評価! ★★★★★ あらすじ やった!これでようやく宇宙に行ける!16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造し、連邦基地のチェックもすり抜けて、そばかす娘コーティーはあこがれの星空へ飛びたった。だが冷凍睡眠から覚めた彼…