日々是書評

書評初心者ですが、宜しくお願いします ^^

【わがまま老人エッセイ】九十歳。何がめでたい - 佐藤愛子

レビュー

オーディオブックで無料公開されていたので、試しに読んでみた。

この書籍は書店で見かけたことがあり、90歳の人の描く文章かぁ、面白そうだなぁとは思っていた。

しかし表紙のほんわかとしたイラストとは裏腹に、エッセイの中のおばあちゃんはぶち切れまくっている。

「90歳おめでとうございます!次は100歳を目指してください」と言われても、「何がめでたいんだ!」と筆者はブチ切れてしまう。まさしくタイトルの通り。

最初はそれを新鮮に感じて面白く聞いていたんだけれど、どうしても理不尽な怒りみたいなものを感じてしまって途中からしんどくなってきた。

スマホが発達せずしすぎているとか新幹線が速くなりすぎているとか、そういう苦言を呈するのだけど、 テクノロジーの進歩に冷水を浴びせるような物言いに、自分はすごく苦手なものを感じた。

人生を90年生きたからといって、必ずしも深く円熟した良識みたいなものは育まれないんだなぁと、とても残念な気持ちになった。