日々是書評

書評初心者ですが、宜しくお願いします ^^

【不動産投資】サラリーマンは今すぐ5000万円借りなさい!- 木村拓也

レビュー

マンション購入を考えており、手に取ってみたのが本書。書店で目立つようにディスプレイされていたし、今年(2021年3月)に発刊されたので情報が古くないかなと思い、購入を決めた。

著者について。

不動産投資アドバイザー。42歳から不動産投資を始め、51歳で脱サラという経歴。家賃収入と売却益の組み合わせで手堅く稼ぐ。

内容について。

1章はまぁ金融系の本によくある脅しパート。年功序列の崩壊や老後資金2000万円問題を取り上げ、それから収入源の複線化を説くという、お約束感…w

2章は資産についてのパート。ここは不動産以外の投資をたしなむ読者にとっては、既知の内容が多いと思われる。

それから3章で住宅ローン、4章で不動産投資の話が書かれる。これらのパートは初心者的にはいくつか学びがあった。

しかし結論を言うと「良い不動産屋とのコネが大事」というもの。まぁそうなのかもしれないけど、ズッコケる想いはある。

それから、筆者のユーチューブチャンネルをチェックしてみたところ、まぁ分かりやすい情報商材臭…。

良い不動産屋は「この物件はやめておく」と言うと書きつつ、本書の最後では「早く意思決定しろ!」と急かす感じ。まぁ利益誘導が透けて見える感じが強い。

書籍として、大きな価値があるかと言われたら疑問。内容は200ページもないので、サラッと読めてしまう。実用書と言うよりは、マインド本に近いかな。他の不動産投資の書籍も併せて読んでみたい。

引用・抜粋

第1章 令和のサラリーマンに求められる「生存戦略」とは?

よくありがちな脅しパート。材料は、早期退職・年金問題など。そこから、収入を複線化しましょう、という話へ。

第2章 自分の未来を守ってくれる「資産」の作り方

会社員の月給のような「フロー」ではなく、資産である「ストック」を意識しようという話。

ストックとしては、株式・特許・ビジネスノウハウ・アフィリエイトサイトなど。

不動産投資について。銀行ローンに頼ることになるので、手許資金は多くは必要ない。大まかな指標としては、3~5%くらいが年間の利益となる。不動産投資のリスクは入居者が入らないこと。

時間の掛からなさが不動産投資の魅力。実務は管理会社が行ってくれる。

不動産投資では、人間が登記するという意味で、AIに奪われない事業と言える。

家賃は景気に左右されないし、価格競争が起こりにくい。そういう意味で安定している。

第3章 サラリーマンこそ徹底活用すべき「ローン」の話

ローンは借金だが、資産に使うそれと、資産以外(ギャンブルなど)に使うそれは区別する。

心理的な不安を取り除くためには、中古のワンルームからスモールスタートする。

ローンの返済を続けていくことで銀行からの信用につながり、さらにローンが組めるようになる。

ローン総額の目安は年収の10倍。

どれほどのローンが降りるかどうかは、銀行の事情や、融資を代行するなら不動産屋の采配にもよる。

個人事業主の場合、しっかり確定申告をしていることと、安定した黒字が続いてることが重要。また、個人事業主を優遇する銀行も。

また、物件が良ければ融資が降りやすい可能性も。

第4章 キムラ式不動産投資法

スタンスによって採るべき戦略は異なる。

入居者の見つかりやすさと利回りには負の相関がある。入居者の見つかりずらい物件を、広告などを工夫して頑張る、と言った戦略も。

キムラ式不動産投資法では、3つのポイントがある。

1つが着実に買える。 不動産投資の失敗は、ダメな物件をつかまされること、物件を買えないことの2つ。

2つ目が再現性が高い。

3つ目が忙しいサラリーマンでもできる。

不動産の情報はネットで探さない。勉強法と物件探しの両方に関して。実際に不動産投資をしていない人の意見は当てにならない。不動産投資に失敗した人の意見は、参考程度に見る。

ネット上に出ている物件は余りもの。いい物件は先に紹介されてしまう。

年収別に不動産投資のスタイルがある。年収300万円なら実績作りの小額投資、500万円ならアパート1棟で100万円の収入、それ以上なら10倍以上の融資を受けて年収と同額の収益。

いい物件を見つける以上に、いい不動産屋を見つけることが大事。自分で数冊の本を読んだ程度では、専門家には太刀打ちできない。いい不動産屋とは、融資を引き出す能力と、良い物件を紹介できる良い不動産屋。

良い不動産屋ほど露出が少ない。コネがないと出会えない。

不動産投資のデメリットは時間がかかること。決断と行動をするなら、なるべく早い方がいい。

今回紹介した本