レビュー
原田マハを読むのはこれで7冊目になる。 アートをテーマにしているということは、楽園のカンヴァスや暗幕のゲルニカのようなテイストなのかなと予想しながら読んだ。
中盤までは、星3つな気分で読んだ。面白いのだけど、上述の名作に比べると普通っぽさが否めない。 「アート、沖縄、戦争と平和」と言ったテーマで書かれる本書。まさしく原田マハの得意分野…?! 失礼ながら、まるで片手間でさらりと書いてしまったような印象を受けた。 それは本書のボリュームの少なさも手伝っているかも知れない。
だけど終盤ではぐぐっと評価が上がり、なんだかんだ良い本だった。短いながらにしっかりと内容がある。 それまでの伏線(鏡とか、山から船が見えることとか)はさらりと回収されるし、主人公とニシムイの芸術家たちの関係性もとても良かった。 ラストシーンでは不覚にもホロリときてしまった…w 感動作と銘打つだけのことはある。
また、文庫本ならではの良さとして、解説も良かった。原田マハの文章が優しくて暖かいだけに、佐藤優のゴツっとした解説文は印象に残る。原田マハがわざわざ説明しなかった小説の背景的な部分がさらりと説明されていて勉強になった。
星評価
★★★★☆
本日レビューした本
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