- 作者: チョ・ナムジュ,斎藤真理子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2018/12/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。
女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作!韓国で100万部突破!異例の大ベストセラー小説、ついに邦訳刊行。
レビュー
自分は日本人の男性で、韓国人の女性ではない。 それなのに、この本を読んで心の底から苦しく思ったのは何故だろう。まるで自分のことのように、窮屈で抑圧された気持ちになった。
それはきっと、当時の韓国の状況があまりにも酷かったからだ。女性蔑視と、そして家父長制。欧米よりも近い文化圏ということもあり、その抑圧された社会の空気はとてもよく理解できた。
好きな女の子に意地悪(被害者から見れば立派な暴行!)をする男の子って、日本でも許されているよね。自分自身、この加害者側の世界観を疑うことなく生きてきてしまった。差別意識は無意識の中にあって、僕らはそのことに1つずつ意識的になっていかなければ行けない。
そして韓国文学の魅力なのかなと思ったけど、そんな抑圧された環境の中でも、女性たちは強くて結束している。世代によっては「女性の敵は女性」を地で行くような人も登場するけど。 キム・ジヨンの姉や母親、大学の友人や、会社の先輩。魅力的で逞しいキャラクター達には、自分まで活力をもらえたような気がした。
短期間で社会が良くなっていく韓国社会のダイナミズムのようなものも感じられて良かった。あっさりと戸籍制が廃止されたり、そのスピード感は羨ましくもあった。
ラストのホラー的な終わり方も、現状の警鐘を鳴らすという意味では非常に良かった。一人でも多くの人に読んでほしい一冊。
星評価
★★★★★
本日レビューした本
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