- 作者: 津村記久子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/11/28
- メディア: 文庫
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「一日コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますかね?」ストレスに耐えかね前職を去った私のふざけた質問に、職安の相談員は、ありますとメガネをキラリと光らせる。
隠しカメラを使った小説家の監視、巡回バスのニッチなアナウンス原稿づくり、そして ……。
社会という宇宙で心震わすマニアックな仕事を巡りつつ自分の居場所を探す、共感と感動のお仕事小説。芸術選奨新人賞受賞。
レビュー
十数年勤めた会社を退職してしまった主人公は、次々に風変わりな仕事を紹介されることになる。
紹介される仕事は、
・小説家の監視業務 ・バスで流れる音声広告の作成 ・お菓子のパッケージに印字する豆知識の選定 ・民家へのポスター貼りのお願い ・森林公園内の小屋での常駐作業
といったもので、それぞれが1つの章となり、まるで短編小説のような形式となっている。
仕事の描写は仔細で、没入感を持てた。 それでいて、登場人物にはどこか不思議で淡白な雰囲気がある。
単なる仕事小説に留まらずに済んでいるのは、この両者の塩梅が良いからかもしれない。 非現実の世界に読者を誘うような、独特の雰囲気を持つ小説だった。
星評価
★★★☆☆
本日レビューした本
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- 作者: 津村記久子
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