日々是書評

書評初心者ですが、宜しくお願いします ^^

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと - 花田 菜々子

夫に別れを告げ家を飛び出し、宿無し生活。どん底人生まっしぐらの書店員・花田菜々子。仕事もうまく行かず、疲れた毎日を送る中、願うは「もっと知らない世界を知りたい。広い世界に出て、新しい自分になって、元気になりたい」。そんな彼女がふと思い立って登録したのが、出会い系サイト「X」。プロフィール欄に個性を出すため、悩みに悩んで書いた一言は、「今のあなたにぴったりな本を一冊選んでおすすめさせていただきます」———。

実際に出会った人達は魑魅魍魎。エロ目的の男、さわやかに虚言癖の男、笑顔がかわいい映像作家……時には自作ポエムを拝見し、かわいい女子に励まされ、優しい女性のコーチングに号泣しながら、今までの日常では絶対に会わなかったような人達に、毎日毎日「その人にぴったりの」本を紹介。え、もしかして、仕事よりもこっちが楽しい?!

サイトの中ではどんどん大人気になる菜々子。だがそこに訪れた転機とは……。 これは修行か? 冒険か? 「本」を通して笑って泣いた、衝撃の実録私小説!

レビュー

いやー、面白かった! タイトルと表紙でなんとなく敬遠してたんだけど、もっと早く読めば良かった。

内容はタイトルの通りで、女性が出会い系を通して本をオススメするというもの。作者自身の実話だということもあり、夢中になって読めてしまった。 出会い系ならではの、ちょっとヤバめな人との出会いも、あるよね〜と共感。

そして作者は、決して道楽でこれを始めたわけではなく、退職や離婚を機に新しいことをしてみたかった、という動機がいいよね。

普通の社会では上手く行かなかった作者が、本の世界へは深い愛情と造詣があったり、出会い系で知り合ったユニークな人達へはある種のシンパシーを感じていたり、そんなコンビニ人間的要素も良かった。

巻末に作者がオススメした本のリストが載っているんだけど、知らない本ばかりで、自分の読書体験はまだまだたなぁと反省してしまった。せっかくの機会なので、ちょっとずつ消化していきたい。

星評価

★★★★★

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