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【沖縄恋愛小説】カフーを待ちわびて - 原田マハ

カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください―。きっかけは絵馬に書いた願い事だった。「嫁に来ないか。」と書いた明青のもとに、神様が本当に花嫁をつれてきたのだ―。

沖縄の小さな島でくりひろげられる、やさしくて、あたたかくて、ちょっぴりせつない恋の話。

選考委員から「自然とやさしい気持ちになれる作品」と絶賛された第1回『日本ラブストーリー大賞』大賞受賞作品。

レビュー

冴え渡るような「美術小説」と、万人受けするような「ほのぼの小説」。 原田マハは不思議な作家で、2種類のストーリーを書き分ける作家だと思っているのだけど、本作は間違いなく後者だった。

悪者なんていないし、悪事も起こらない。そんな優しくて温かい世界の中で、孤独な二人が一緒に過ごす。二人の過ごした時間が愛しくなるような、ちょっと切ない恋愛小説だった。

舞台となった沖縄の小さな島ではとてものんびりとした時間が流れているんだけど、外側から観ていると神秘的とも言えるような雰囲気もあって良かった。沖縄の方言しかり、「模合」と呼ばれる会合(要は飲み会w)しかり、ばあばが務める巫女しかり、そのあたりは原田マハの文化研究力の高さが光っている。 全てひっくるめて、また再読したくなる雰囲気の小説だった。

そして、幸の正体について2度のどんでん返しがあるのだけど、見事にビックリしてしまい、作者の思う壺だったw

星評価

★★★☆☆

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