レビュー
ライフネット生命の出口さんが教養について論じた新書。 こういう本って単なる「俺の起業ストーリー」になりがちな印象だけど、しっかりと中身のある新書に仕上がっている。
「教養とはワクワクするもの」から始まっているので、読みながらポジティブな気持ちになれる。 そんなちょっとした自己啓発的な側面もある本。
ただし、出口さんは人間の役割を「次の世代のために生きている」と断定する。 この点に引っかかってしまう人はいるかも知れない。 いや、自分のために生きたっていいじゃない。と自分は思ってしまった。
そこに目を瞑れば、全体としては良書。特に若い人や、人生のマンネリ化を感じている人に読んでほしい本だった。
あと、巻末にライティング担当?とかいう人の文章が添えられていた。 たった2ページの中学生の感想のような文章に、読後感を阻害された。蛇足以外の何物でもなかった。さすが幻冬舎。
以下、引用メモ。
一章 教養とは何か
- 教養とはワクワクするためのもの、そして自分の頭で考えるためのもの
- 自分の頭で考えるバロメータは腑に落ちるという感覚
- 意見が決められないのは「考え不足」が原因
二章 日本のリーダー層は勉強が足りない
三章 出口流・知的生産の方法
- 教養を深めるうえでは、学ぶ時間を生活習慣のなかにうまく取り込むことも大切
- 身近な人を目標にすると努力が続く
四章 本を読む
- 本を読むのにかかる時間は、その人の知識量で決まってくる
- たとえ面白くなくても読まなければいけない本がある
六章 旅に出る
- 本と旅は補完関係にある
- 人生の楽しみは、喜怒哀楽の総量
七章 教養としての時事問題(国内編)
- 民主主義はベストではなく、ベターな方法
- 公的年金は破綻するという嘘に騙されてはいけない
八章 教養としての時事問題(世界の中の日本編)
- あくまでも「歴史は一つ」である
星評価
★★★★★