日々是書評

書評初心者ですが、宜しくお願いします ^^

【人生でいちばん大事なこと】DIE WITH ZERO - ビル・パーキンス

アリとキリギリスのアリはいつ楽しい時間をもつのか、について書いた本。

ルール1 「今しかできないこと」に投資する

人生の充実度を決めるのは、その時々に相応しい経験。

明確な将来の計画を持ち、同時に今を楽しむことも忘れない。

ルール2 一刻も早く経験に金をつかう

経験にお金を払うとき、その経験がもたらす配当にもお金を払っていることになる。配当とはつまり、思い出すたびにいい思い出が蘇る。それは複利的に増えていく。

ルール3 ゼロで死ぬ

100万ドルを残して死ぬと言うことは、100万ドル分の経験をし損なったと言える。人生の最適化には失敗している。

多くの人が資産を残して死んでいく。概して歳をとると、金を使う意欲がなくなる。

老後の不安に関して。高額の医療費がかかるような場合、これまでの蓄えで賄えない可能性が高い。ならば、残り少ない人生を楽しんだ方がいい。介護については、介護保険に加入しておけばいい。つまり、老後のために必要以上に貯蓄に励むことはない。

ルール4 人生最後の日を意識する

早死への対策が生命保険。長生きリスクへの対策が長寿年金。

ゼロで死ぬはお金の話だけではなく、時間の使い方に関してもそう。死を意識すると、時間の使い方が変わってくる。

ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える

相続について。死んでから与えると、いつ誰にどれくらいの額を与えるのを偶然に任せることになる。

人がお金の価値を最大化させる最もいい年齢は26歳〜35歳。歳をとると、お金を価値あるものに変える能力が衰えていく。

秘書として91歳まで働いていたシルビア・ブルームさんの話。800万ドルを稼ぎ、慈善団体に寄付をした。ただし、死後の寄付は非効率。慈善団体は今、資金を必要としているので、寄付をするなら早い方がいい。

免税店で富を築いたチャック・フィーニーは、giving while living として、早期の寄付を実現してきた。

ルール6 年齢に合わせて「金、健康、時間」を最適化する

いわゆる20%ルールを考え直す。収入の20%を貯蓄に回すのは分かりやすいが、その額は年齢とともに変わっていく。

若い頃にお金を使うべき、とは、健康で能力のある内にお金を使うべき、と言うこと。

人生の幸福度は金・時間・健康のバランスで決まる。人生の真ん中あたりがそれらのパラメーターの最大値となる。

健康は金よりも価値がある。健康でないと、経験から価値を引き出すことが難しくなる。あらゆる年代において、健康改善による人生改善が可能。

金で時間を買うことは有効。特に金が余っていて時間の足りない中年期は。さらに、マイナスの経験を減らしてプラスの経験に充てることができる、という効果も。

ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する

人生の後悔ベスト2は、「もっと自分に素直になったらよかった」「働き過ぎなければよかった」。

人は終わりを意識すると、その時間を最大限活用しようという意欲が高まる。

タイムバケットを活用してみる。やりたいことをリストアップ。この時点では、金のことは気にしない。そして、それぞれのタイムバケット(20〜25歳、など)に投入する。ひとまず向こう30年を対象としてみる。

ルール8 45歳〜60歳に資産を取り崩し始める

ゼロで死ぬためには、人生のあるポイントから資産を減らし始める必要がある。それを資産のピークと呼ぶ。これをいつに設定すべきか、決める。

老後のためにお必要な資金について、筆者の勧めは「年間生活費×老後年数×0.7」。利息の効果を得ると、70%で済む。

資産のピークは金額で決めない。1億円作ってから!と決めると、そこまで到達しないリスクや、さらに高い金額を追い始める可能性も。

ルール9 大胆にリスクを取る

リスクを取るなら若い頃の方がいい。

十分にリターンが大きい場合は、リスクを取らないことがリスクとなる。

リスクの大きさと不安は別。不安を感じると、リスクを過大に見てしまう。

人生で一番大切なのは思い出を作ること。