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【不動産投資2冊目】アパート一棟、買いなさい! - 石原博光

レビュー

もふもふ不動産のオススメだったので購入してみた。

初心者である自分にとって、学びのある1冊だった。

筆者自身、読み返して「これは良いテクニックだ!忘れてたw」と書いているので、おそらく経験者の方にとっても学ぶところはあるように思えた。

タイトルの通り「アパート1棟」の投資、というか経営について書かれる。他の不動産投資の入門書に比べて、やや特定のテーマに特化しているように思えた。

融資やリフォームについては特に、かなり具体的な話が書かれる。まさしく先行者の知見をありがたく頂戴したよう。

そういう意味では1冊目ではなく2冊目3冊目に書いたい本かな?と思えた。

引用・抜粋

第1章 地方の一棟アパートか都心の築古アパートを狙え!

都心の区分所有マンションは利回りが低く、1契約につき1世帯数となるので非効率。アパート1棟の方がオススメ。少なくとも利回り15%、できれば20%以上を狙う。高利回りに付帯するリスクは、経営努力で回避する。

不動産投資は事業なので、長期的な戦略を持ってから始めるのがよい。月々10万円が得られればいいのか、年間1000万円がほしいのか。筆者のオススメは後者。その場合、利回り17%の1600万円の物件を4棟、段階的に購入していけばいいい。

地方の1棟アパートか、都心の築古1棟アパートが狙い目。地方だと空室リスクがあるので、利回りが高い。しかし、地方の大家は賃貸経営のノウハウがあまりないので、ライバルが少ない。都心のアパートなら空室リスクは低まる。が、築古なら法定耐用年数を過ぎている場合もあるので、資産価値が残っていない。融資を受るためにはリフォームが大事。築古都心の場合は、土地が狭いので固定資産税が安いというメリットが。

不動産投資における指標として、イールドギャップを重視する。イールドギャップとは、利回りマイナス金利。筆者は12%を最低ラインとみる。それ以下なら、潔く購入を見送ることも。

不動産というより「稼働産」という考え方。見るべきは資産性ではなく、稼ぐシステムとしての物件。

マイホームの購入は後回しに。住宅ローンは銀行にとってはただの負債扱いなので、不動産投資の融資で不利になる。

頭金を用意しながら諸経費や当面の運転資金も考慮するなら、自己資金は300万円ほど欲しいところ。だいたい物件の購入価格の5~7%をみておく。空室対策にリフォームをする場合は、物件を担保にしてリフォームローンを借りればいい。

収益性物件を探せるサイトは、HOME'S・アットホーム・Yahoo! 不動産・不動産投資連合隊・楽待・クリスティ・健美家・SBI Life Living など。

第2章 買ってもいい物件、買ってはいけない物件

初期費用ゼロ作戦は、ある程度以上の手元資金が必要。いざという時の手と認識しておく。

大手企業城下町、大学付近、は避ける。

Home's の賃貸需要ヒートマップが参考になる。

狭い物件はNG。単身者用であっても、8坪(26.4平米)はほしいところ。都心は立地の優位性と引き換えに狭かったりするが、車社会の地方ではその優位性が低く、広いのが当たり前。

その地方が車社会である場合、駐車場は重視する。最低限、全世帯分の駐車場がほしいところ。筆者は庭を潰して駐車場化したとろこ、空室が埋まった。また、近所の駐車場は当てにしない。

物件規模は大きすぎないほうがいい。自殺などの風評被害リスクが全体に及ぶし、固定資産税やリフォーム代も大きくなる。それに小さな物件のほうが潜在的な買い手が多いので、出口戦略的にもGood。

都心の場合、最寄り駅やエリアの魅力が難を吸収してくれる。ので、多少の築年数の古さやボロさは気にしない。むしろ木造ならばリフォームでいくらでもなる。逆にボロいから値引き交渉できるくらい。鉄骨造や鉄筋コンクリートの方が、錆びリスクもあるし、外側からは劣化具合が分からない。

瑕疵担保免責物件でも大丈夫。ある程度の瑕疵なら修繕すればいいし、ライバルとなる買い手が少ない。ある程度以上の瑕疵は、売り手に責任追及できる。

借地権のみ、ということは土地が自分のものにならないということ。物件が安い代わりに契約更新時に更新料を払う。しかし、慣習的に更新料が発生しない(あるいは少ない)場合も。確認してみる。

駅から遠い、大通り沿いでうるさい、日当たりが悪いなど、自分でどうにもできない物件は諦めてもよい。

空室があっても見た目がボロくても、自分で改善できれば検討の余地あり。

地盤沈下、湿気、シロアリの被害が大きすぎる、弱い擁壁など、土地由来の瑕疵がある物件は避ける。

競売物件は不確実性が高くオススメできない。それよりも、任意売却は要チェック。しかし独自のルートがあった方がいいし売買の調整に時間がかかるので、ニ棟目以降の物件としてならアリかも。

RC造はイメージは良いが固定資産税が高い。木造よりも3〜5倍高い。それに法定耐用年数が長いので、減価償却が少ない。

融資が引きやすいという理由で物件を買ってはダメ。銀行が好む物件は資産性が高いけどリスクの低い低利回り物件。

第3章 資産性が低くても、銀行から融資を引く秘訣

融資基準はだいぶ下がってきた。とは言え、メガバンクから融資を受けるのは難しい。狙い目は地方の信金信用組合。法定耐用年数を過ぎた物件や再建築不可物件でも融資してくれる可能性が。労を惜しまず数多くの金融機関を当たってみる。

民間でダメなら日本政策金融公庫から借りる手も。融資期間の短さがデメリットだったが、最長で20年くらいに伸ばされた。リフォーム費用なども借りられる。しかし、物件評価が厳しいという側面も。

第4章 購入価格は自分で決める!値切りの交渉術

物件に惚れてしまい大した値引きもできないまま買うと、利回りの低さに苦しむことに。

値引き交渉で大事なのはブレないこと。なんとなく15%がいいな〜ではなく、きちんと諸経費を考慮したキャッシュフローを算出する。リフォーム代なども込みで。

交渉はどうにもならないところからスタート。駅から遠い、など。次に、改善できる箇所。リフォームに○○円かかりそうだから、○○円値下げしてほしい、と言った具合に。金融機関による評価額も交渉材料となる。しかし、上から目線でダメ出ししない。あくまで相談させていただくというスタンス。しかし業者が間に入るので、遠慮せず意見はきちんと言う。

売り主の人物像や売却の理由について、可能な限り情報を集める。

リフォームの見積もりも並行して進めておく。

また、諸経費は物件の購入価格の6~7%くらい。さらにリスクに備えて大家は保険に入るべきで、数十万円がかかる。

第5章 物件管理はプロにおまかせ!いい管理会社の選び方

管理料は物件価格の5%程度。

管理会社は地元のものを利用する。契約の解除は物件の売却時に。

管理会社にまず確認すべきは管理料。それから、リフォームの主導権が大家にあること。自社のリフォームで儲けてる管理会社の場合があるので注意。

管理会社の管理力と客付け力は両方あった方がいいが、後者の方が大事。有名どころの不動産屋だとブランド力で集客できる。一方でその地方に強い不動産屋もある。

メールでやり取りできる業者だと良し。

良い管理会社を探すこともさることながら、関係構築に努めて一緒に成長していくような関係も理想。

第6章 大家さんの腕の見せどころ!リフォーム大作戦

リフォームはまずマイナス点を打ち消すところから。外壁の再塗装など。プラスを加えるのはそのあと。ただし完璧を求めず、費用対効果を常に意識する。目安は家賃15ヶ月分。

都市ガスからプロパンガスに変える選択肢も。ガス屋は技能が高い。ただし、プロパンガスへの嫌厭は気をつける。

床はフローリングが無難。

相見積もりを行う(事前に申し出ておく)ことで、リフォームの相場観を養う。あるいは自分で手掛けてみる。

リフォーム会社は値段で選んではいけない。難しければ管理会社から紹介してもらうのも手。ただし管理会社の利益分が乗ってしまう。

リフォームの現場は見に行ったほうがいい。現場に良い影響を与えられるし、

第7章 入居者さんいらっしゃい!満室経営を生む極意

家具設置で客付け。

家賃保証会社は必須。保証の通らない入居者は断る。一度入居してしまうと追い出すのは大変。最低でも半年の滞納歴が必要。

不良入居者対策には、定期借家契約を。

第8章 入居者が決まったら、いざリスクに負けない運用を!

支出を把握しておく。火災報知設備、町内会費など、見えづらい出費もある。

減価償却費は戦略的に設定する。

更新料を払うくらいなら引っ越す、に対処するために更新料を無くすのも戦略。しかし更新料は管理会社と折半でもらうもの。管理会社の利益を損なわないのよう、そこは大家が補填した方がいいかも。

売却タイミングは市場に左右される。銀行の融資が緩み始めたら売り手市場。ただしその状態が行き過ぎるとデベロッパーが売り渋るので、買い手市場となる。

売却益は過度に期待しない。それよりも満室経営による収益を狙う。資産性よりも収益性。

星評価

★★★★★

今回紹介した本