少し面白かった、と思う。
例えば、道の話。目が見える人々は、ただ決められた順路に従って歩く。それはベルトコンベアのようで二次元的。一方で、目の見えない人は、方向や空間の広がりを想像する。目が見えずに得られる情報が少ないからこそ、世界を3次元的に見ている。という話。
なるほど!と思う話が次々に登場する。
他には、
・目の見えない人の内、点字が読めるのは1割程度(少し古いデータ? ・ など、知らない話がいくつかあった。
ただ、筆者の見方が好意的すぎるというか、彼らの実際の苦悩や、生活上の不便さというのは、そこまでシリアスに描かれることはない。
目が見えないからこそ、情報に振り回されないんですね〜!面白い!みたいな。学者である筆者の、とても学者らしい世界観。
このタイトルと表紙絵からは、目の見えない人側が主体の話かと思いきや、筆者による実録レポートというテイストが強い。あと、筆者の学問遍歴みたいな前置きが長かった。
まぁ、エッセイと思って読めば悪くないかも。
読者が事前に何を期待するかによって、評価が分かれそうな1冊。