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【書評】エンダーのゲーム(上)- オースン・スコット・カード

エンダーのゲームといえば「SFの必読書」として名高い。SF小説好きとしては、いつか読みたいと思っていた本書。ワクワクした気持ちを持ちながら、ようやく手に取ることができた。

世界観としては、王道のSF。かつて宇宙人たちが地球に侵攻してきた。圧倒的な力で蹂躙されたものの、なんとか地球側の勝利で終わった。それから数十年後。現代の地球人たちは、再びの侵攻に備えて軍備を整えていた…と言った世界観。

そんなマクロな世界観に対して、ストーリーは意外とミクロ的。エンダーという主人公が、宇宙軍の指揮官候補として登用される。かれはまだおよそ10歳(?!)にして、入隊。新人時代を経て、部隊に配属され、メキメキと頭角を現していく、という割りと狭い世界が上巻のお話。

エンダーを始めとした、少年少女の戦士たちは、選りすぐりの人材。単なる子どもではなく、大人たちが慎重に、計画的に選別した結果であることが序盤から説明される。それゆえに、10歳とは思えないような思考力・問題解決力・成長力を見せてくる。それが現実的には見えず、違和感を持つ読者もいるかも知れない。

一方で、そんな子どもたちを観察する、大人の視点も少し描かれる。「本当にエンダーは選ばれし子なのか…?」みたいな話し合いの場面。エンダーの視点と交互に描かれるので、それは物語に厚みをもたせたと思う。

とは言え、上巻はアッサリと終わった印象。肝心の敵対宇宙人は登場せず、精神描写も多いため、期待していた宇宙ドンパチなシーンはほぼ無く。これから宇宙戦争が始まる…?! という緊張感はあまり感じなかった。それは下巻の話かな…?

ちなみに、翻訳的な部分で言うと、読みにくさは無かったと思う。ただ、旧訳版のレビューを見ると、そこの評価は高くない印象。なので今から読むなら、新訳版がオススメになりそう。

ただ、罵倒語がたくさん出てくるのだけど、それらはよく理解できなかった…w 「この屁食い野郎!」みたいな。なにそれ?? と意味が分からずにポカーンとしてしまうことがあった。