日々是書評

書評初心者ですが、宜しくお願いします ^^

【入門者向け】空き家を買って、不動産投資で設ける! - 三木章裕

レビュー

ちょっと平易すぎるかな。それは筆者も認めるところだけど、かなり初心者向け。

いや、初心者以前かも。不動産投資について全くの未知、という人が読むレベルの書籍。

自己啓発本の域を出ていない。というのが正直な感想になる。

筆者のルーツである、「大阪商人」の話が印象に残ったくらいかな。

引用・抜粋

第1章 なぜ私が人の資産をつくるようになったのか

いわゆる自分語りパート。大阪商人の心意気、バブル崩壊を生き延びた不動産業者、みたいなストーリーは読ませる。

バブル崩壊で信用崩壊した筆者は、資産は持てなかったが、不動産のノウハウを活かして、不動産の仲介と管理を行う。それによって、自身は借金をすることなく、家賃収入に相当する額を手に入れることができた。

第2章 誰でも始められる 空き家(古屋)不動産投資とは

平均的な日本人が1億円の預金を貯めるのに60年かかるが、1億円の資産を作るのには20年で済む。預金より資産のほうが作るのが簡単、という話。

いくつかの不動産賃貸・売却の成功ケースが紹介される。薄給で生活が心配なサラリーマン、相続した家に困っていた相談者、再建築不可の家を売却できずに困っていた相談者など。彼らは筆者のアドバイスを受けて、次々に問題を解決していく。ついでに言うと、暗い表情だったのがパッと明るく溌溂になるという。

不動産に長く関わっている筆者なのだから、きっといくつもの失敗ケースを見てきているはず。でも、ここまで成功パターンだけを紹介するのはちょっとフェアじゃないなという感想。

第3章 空き家不動産投資で資産を作るためのライフプラン

XX歳の時までにXXX万円を作っておき、不動産を買い進めていくと、 XX歳にはXXX万円の資産になっているよ、みたいなシミュレーションの章。

家賃下落、空室率上昇、金利上昇、突発修繕など、リスクが織り込まれていない。かなり楽観的なシミュレーション。まぁそれは筆者も認めるところで、初心者向けに分かりやすくしているんだろうけど。

第4章 資産づくりは世代ごとに違ってくる 世代別実践編

筆者は「虎の子物件が必要」と説く。虎の子物件は、40年貸し続けられるような物件で、利回り8%以上。

筆者の考えでは20年が一つの目安となる。30代なら20年後の50代まで見据える。

30代の強みは、時間を味方にできること。融資期間を長く引ける可能性があり、キャッシュフローを増やして手残りを増やせる。さらに、不動産投資に必要な勉強の時間も確保できる。

物件探しで一番いいのは、大家仲間からの紹介。

筆者が主催している大家の会は、「喜ばれる大家の会」。

よくあるレバレッジを効かせよう!という話。

第5章 不動産投資の心得!これだけ押さえれば不安なく始められる

かけるべきコストはケチらない。物件の差別化のためにコストをかけないと、低価格競争に巻き込まれることに。

節税の話。

家賃設定の考え方。大家業は家賃設定で生き、家賃設定で死ぬ。家賃相場を調べたら、5段階に分類する。「最低」「中の下」「中」「中の上」「最高」。中の上の物件レベルの内装にして、中の下の物件レベルの家賃設定にする。

賃貸不動産業では、入居者のためになることしかしてはダメ。自己満足でお金を使わない。