レビュー
ジャンルとしては、自己啓発に含まれると思う。筆者は元「ナンパ師」で、その経験を元にして今はカウンセラーをしているらしい。この本では、彼の実体験をベースにして、人との接し方について解説される。
けれども内容はスッと頭に入ってこない。「うん、知っている」「まぁ、そうだよね」と言った感想しか出てこないような文章が延々と続く。
例えて言うなら、尊敬できない人からアドバイスを聞かされているような気分。
この本を読んだことで、自分の人生が少しでも向上することはきっと無いだろうという確信がある。
文章については、一部キラリと光るような箇所が見られるものの、大部分は凡庸で冗長。そのこともまた、読書意欲を削ぐ原因となった。
上位互換のような自己啓発本はきっといくらでも見つかる。この本は残念ながら、わざわざ買って読むほどの本ではない、という評価になる。それでも、この本で初めて自己啓発に触れる人もいるかもしれない。そういう人にとっては新鮮味を感じられて多少は意味のある読書体験になるかもしれない。なのでギリギリ星2つで。
それにしても、「あなたは、なぜ、つながれないのか」というタイトルをつけた出版社は非常に有能。カバーイラストもなんだか気になる感じ。
正直言うと、タイトルと表紙で気になって買ったので、期待が高すぎたのかもしれない。あまりにも実体が伴っていない。
引用
また、そうやって自ら答えを見つける感覚を育む経験を積んだとき、そのひともまた他人に無闇矢鱈にアドバイスをせず、他人の感覚が育まれるのを待てる人間になる。 (5章 章末より)
自分が気になることを真正面から気にすると、同じ悩みの繰り返しから抜けることができる。悩みが完全に忘れられて気にならなくなるのではなく、自分の過去や性質を抱えて生きていくことが上手になっていく。 (6章 章末より)
星評価
★★☆☆☆