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【書評】他人を攻撃せずにはいられない人 - 片田珠美

レビュー

「他人を攻撃せずにはいられない人」と聞くと、直接的な悪口や嫌がらせが頭に浮かぶけれど、本書で扱う「攻撃」はもう少し広範囲だ。

例えば、他人を無価値化したり、罪悪感を抱かせて支配しようとしたり、攻撃せずにいられない人の手段はバラエティに富む。

人の話を理解できないふりをする、みたいな具体的な描写があり、こういう人いるよなーと、リアルさが伝わってきた。 さすがは精神科医。被害者に寄り添っている人間ならではの目線で書かれている。

被害者と言えば、本書では、攻撃のターゲットとなる人間の特性にも触れられている。 人に認められたい、自分を否定されていることに慣れている、と言った性質を持っていると「イネイブラー」として攻撃者を助長してしまうらしい。

ただ、攻撃者の深層心理に関する章は、どうしても浅さを感じてしまった。 おそらく作者が、加害者ではなく被害者側に寄り添う人だからかな?

本書では、攻撃者への対応は「観察する・距離を置く・ときにはやり返す」と記されている。残念ながらどれも抜本的な解決ではない。 (本書のレビューとは関係ないけど)世の中にサイコパス的な人間が平然と暮らしていることへのモヤモヤ感はどうしても残る。

星評価

★★★★☆

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