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【人生観・社会生活観】フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか - 堀内都喜子

レビュー

audiobook.jp で人気ランキングに入っていたので聴いてみた。レビューを見ると、そもそも紙の本の時点で結構売れてたらしい。

まず、タイトル付けが上手い。これはちょっと皮肉でもあるのだけど。

フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか。

一見して、ハーバード式なんちゃらみたいな、意識の高い、学びのありそうな雰囲気を醸し出している。

しかし実際には、良くも悪くもテーマは幅広く、仕事環境というのは内容の一部に過ぎない。教育、福祉、人生観など、フィンランドのあらゆる側面について、薄く広く取り上げる。

フィンランド人は人口500万人に対して、サウナの数が200万位上、と言った数値データは何度か登場する。しかし、XXは心地よい、と言った筆者の主観が頻出するので、本のジャンルとしてはエッセイに近いかも知れない。

それでも、少なからず学びのある1冊だった。フィンランドについて、サラッと知ってみたい人にはオススメかもしれない。が、個人的には「スウェーデン、福祉大国の深層」のような深みを期待していたのだけど…。

引用・抜粋

フィンランドは世界幸福ランキング第1位 謙虚な国民性なので、幸福ランキング1位は信じられないという人が多いかもしれない

ノキアは100年の歴史がある会社で、携帯電話事業で一躍有名になったが、今は BTOB のビジネスを行っている

人口が少なく国内市場が小さいことから、必然的に輸出に力を入れることになった。

フィンランドは始めからうまくいっていたわけではなかった。100年前は小さな国で国民のほとんどは農業に従事していた。さらに第二次世界対戦では敗戦国となり、北欧諸国の中では唯一戦火を受けた。しかしその後ロシアから独立したりヘルシンキオリンピックを開催したりヨーロッパ連合に加入した。

フィンランド人は効率の良い働き方をしている。朝8時頃に仕事を始めて夕方の4時頃には帰宅していく。 オフィスがフリーアドレスだったり昇降式デスクを導入していたりする。 またコーヒー休憩は法律によって決まっており、フィンランドは世界で最もコーヒーを消費する国の一つである。

フィンランドの会社組織では、日本ほどを上下関係が厳しくなく、上司をファーストネームで読んだり、社長に意見を申し出ることも可能。

フィンランドでも飲み会は存在し、ヨールと言うクリスマスの季節に行われる。

フィンランドで有名な余暇といえば、ベリー摘み。ベリー摘みの季節になるとお互いに何リットル取れたかということを自慢し合ったりする。またハンティングもポピュラーの趣味の一つで、フィンランドでは狩猟用のための銃の所有率がとても高い。

フィンランド人はサウナが大好きで、人口500万人に対してサウナの数は200万個以上。浴槽がない家庭も多い。

フィンランドでは社会人も1ヶ月以上の夏休みを取る。夏休みの計画はかなり長期的で新年から休みの計画を始める。(会社への休暇の届など)

休みが一か月ある理由としては一週間目はまだ仕事のことを考えてしまうし、4週間目にはそろそろ仕事に戻りたくなる。ちなみに調査によると実際には休み中でもスマートフォンでメールをチェックしてしまう人が多いらしい。

休みの間は学生インターンが就労経験をゲットするチャンス。

人々が夏休みを取ることでお店などが閉店となってしまうが、一年は11ヶ月であると割り切っている風潮がある。