2019-01-01から1年間の記事一覧
すべて真夜中の恋人たちposted with ヨメレバ川上 未映子 講談社 2014年10月16日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 川上未映子という作家の本は初めて読んだ。前から気になってはいたけど。 ページ数を贅沢に使う作風だと感じた。つまり描写過多と…
人生を狂わす名著50posted with ヨメレバ三宅 香帆/今日 マチ子 ライツ社 2017年09月29日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 人生を狂わす名著と称して50冊が紹介される。 紹介されるのは小説だけではない。古典文学・短歌・漫画など、幅の広さを見…
むらさきのスカートの女posted with ヨメレバ今村夏子 朝日新聞出版 2019年06月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー まず、冒頭。あたかも不思議な生物を紹介するかのように、「むらさきのスカートの女」について解説される。そしてそれをメタ視点で…
動物農場〔新訳版〕posted with ヨメレバジョージ・オーウェル/山形 浩生 早川書房 2017年01月07日 楽天ブックスAmazonKindle レビュー ジョージ・オーウェルを初めて読んだのは2018年、言わずとしれた「1984年」からデビューした。ディストピア小説の代表作…
消滅世界posted with ヨメレバ村田 沙耶香 河出書房新社 2018年07月06日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 村田沙耶香を読むのはこれで二冊目。一冊目は言わずとしれた「コンビニ人間」 さて、消滅世界のあらすじはいたってシンプル。 「セックス…
三体posted with ヨメレバ劉 慈欣/大森 望 早川書房 2019年07月04日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 絶賛売出し中の三体。ようやく読めた。 まず、文化大革命のシーンから始まるのが良い。中国固有の歴史を描くことで、中国SFとしての色が濃くな…
人生を面白くする本物の教養posted with ヨメレバ出口治明 幻冬舎 2015年09月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー ライフネット生命の出口さんが教養について論じた新書。 こういう本って単なる「俺の起業ストーリー」になりがちな印象だけど、しっ…
レビュー 美術館を作りたいと夢を語った松方。 そしてその夢にほだされた田代。 だけどそのためには、フランス政府に没収されたコレクションの返還が不可欠だった。 戦後の不利な日仏関係のもとでの返還交渉、これは間違いなく熱いストーリーになる。 …と思…
レビュー この本にはタイトルの通り、50人の人々が登場する。 (実際には51人だけど。作者がつい書きすぎてしまったらしいw 登場人物は、韓国人もいれば、そうでない人も登場する。 男性も女性も、子どもも年寄りも、ゲイもレズビアンも登場する。 共通点と…
レビュー 対談本というものを初めて読んだ。 対談に臨むのは、エッセイストの雨宮まみと社会学者の岸政彦。 僕は雨宮まみが大好きで、そのネームバリューだけでこの本を購入したようなもの笑 だけど対談本だから話し口調なのだ。雨宮まみのいつもの研ぎ澄ま…
レビュー 原田マハさんの本はこれで三冊目。 「異邦人」で引き込まれて、「本日はお日柄もよく」そして「生きるぼくら」と読み進めてきた。 異邦人の文句なしの星5っぷりとは対照的に、生きるぼくらは文句なしに星3つ。決してつまらなくはないんだけど、無難…
超簡単お金の運用術全面改訂posted with ヨメレバ山崎元 朝日新聞出版 2013年09月13日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 面白かったし、為になった。 資産運用に関して具体的に何をすればいいのかをまず一章でハッキリと書いてくれるので、取っつ…
レビュー さすが池上彰先生。分かりやすくて簡潔だった。 高校でチンタラと時間をかけて学ぶような経済のエッセンスを学ぶことができる良書。 ただ、あまり難しい内容では無いので、物足りなさはあるかも。より難度の高い本への入門書。 星評価 ★★★★☆ 本日レ…
レビュー 地方の閉鎖的なコミュニティでのお話。 相互監視的な空気感とか、不可避的な「お付き合い」は読んでいるだけで疲れた。 それにも増して、この本の登場人物は基本的には自分のことしか考えていない。どうすれば都会に返り咲くことができるのか。どう…
レビュー 面白くて一晩で読み切った 機能不全とも言える家族は、時間の経過とともに表面上は収まるところに収まったかのように見える。けれども実際には、家族の構成員は満たされない想いや未解決の問題を抱えている。そんな各々の視点で描かれる短編集。 あ…
レビュー 直木賞を受賞した「ファーストラブ」が面白かったので、島本理生の他の本を読んでみようと思った それがこの本 ナラタージュは紛れもなく恋愛小説というカテゴリになるんだろうけど、正直なところ主人公と葉山先生の気持ちが全く理解できなかった..…
東京を生きるposted with ヨメレバ雨宮まみ 大和書房 2015年04月 楽天ブックスAmazonKindle レビュー 東京の大学に進学した時。東京で一人暮らしを始めた時。東京の会社で働き始めた時。 その度に一度は胸が高鳴った。 けれど、僕らの日常というのは、油断す…
レビュー J-WAVEのブックバーという番組で紹介されていたので手に取ってみた。 本書では、江戸で暮らす人々の経済事情を明かしていく。 なかなかに面白そうなトピックではある。 ところが、日本史の知識やあるいは興味が薄い自分にとっては、なかなかにしん…
レビュー この作者の悲しみの雰囲気づくりは何なんだろう。少しだけ癖になりそう。 ハッキリと書くことなく、ジワリと滲ませる感じ。 表題作の「夏の約束」について。 MtFの美容師がひょんなことから入院することになる。 友人らがお見舞いに行くと、同じ病…
娼年posted with ヨメレバ石田衣良 集英社 2004年05月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 女性やセックスを退屈だと決めつけていた少年が、ぬるりと娼婦ならぬ娼年の仕事を始めるお話。 娼年の出会う客は変わった嗜好を持つ女性ばかりなんだけど、…
レビュー 初めて阿部和重を読んだ。有名どころから入りたくて、芥川賞を受賞したグランドフィナーレを読んでみた。 いやぁ、難しい。正直なところ、小説として面白いとは思えなかった。 けれど、解説込みでなんとか「そういうことなのかな」という納得感みた…
レビュー いやー、面白かった!平日の夜なのに読了したら午前3時。引き込まれて450ページを一気に読み切ってしまった。 物語のあらすじは、以下の通り。 いわゆる集団自殺のお話。ネットで知り合った12人の自殺希望者が集まるのだけど、会場には既に1人の死…
レビュー この物語の主人公は36歳の女性。コンビニで18年間アルバイトをしている。 未婚で恋愛経験なし、それどころか自分を世の中の異物のようにずっと感じていた。それはひょっとしたら発達障害と診断されるようなものかもしれない。 そんな主人公が普通で…
日日是好日posted with ヨメレバ森下典子 新潮社 2008年11月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle レビュー 大学時代に茶室に通い始めた主人公の女性。 仕事、交際、父との離別。この本の中では主人公の過ごした20年間が描かれる。 だけど、その傍にはいつでも…
レビュー とても面白くて一気に読んでしまった。 魅力的なキャラクターや、謎解きのような夢中になれるストーリー、そしてアートの歴史と世界。それら全てが、とても読みやすく落ち着いた原田マハの文筆力で展開される。それゃあ面白いに決まっている。 だけ…
レビュー 前作である「娼年」では、女性用の風俗で働き始めた主人公にスポットライトが当たっていた。女性やセックスに対して淡白だった主人公は、仕事を通して多様な欲望の形に出会い、才能を開花させていく。 一方で今作「逝年」はその続編であり、フォー…
レビュー 初の筒井康隆。 主人公のラゴスは、一生分の人生を費やす旅をする。たった230ページなのに、その間には数十年の月日が経ち、とても長い物語を読んだかのような気分。 旅先で出会う人々やその生活の描き方はそれなりに丁寧で、しっかりと紀行小説と…
レビュー ああ、面白かった。こんな面白い本を読まずに過ごしていたなんて…! 上巻から下巻まで一気読みだった。こんなにも一瞬で読んだ三部作は初めてかもしれない。 まず何より、悪鬼のホラー描写がなんとも秀逸。 それは超能力の強さとか、描写の上手さも…
レビュー 早紀と倫理委員会の長が接触することで、世界の真相がまた一段明るみになった。 ようやく悪鬼と業魔に関する説明が為された。 こんな風に、中巻では子どもと大人の世界が少しずつ繋がっていく感じがあった。(そして大人の都合によって、子どもたち…
レビュー まだ上巻。中巻と下巻が控えていることを承知で、上巻を読んだ感想を。 前半では、能力を持つ前の子どもたちが育てられる途上を描く。 子ども時代を振り返るという形式での記述が上手く、淡い懐古を感じさせる読み味。 まだ世界の全容を知らない子…